銀行カードローンが消費者金融よりも好調な舞台裏

お金に困った時に無担保かつ無保証人で融資をしてくれるカードローンは、借入審査さえ通れば手軽に借り入れや返済ができるため、その利便性から多くの利用者の支持を集めています。

カードローンを利用する場合、かつては消費者金融からの借入をイメージしていた人が多かったようですが、最近では銀行カードローンが躍進しており、消費者金融を追い越すほどの活況となっています。

メガバンクやネット銀行、地方銀行などがこぞってカードローン事業に参入し、それぞれ独自のサービスを展開しています。

なぜ消費者金融市場で銀行カードローンが消費者金融会社を追い越したのでしょうか?銀行カードローン躍進の舞台裏について詳しく解説したいと思います。

銀行カードローンは利益率がよい

カードローンは銀行カードローンと消費者金融カードローンがありますが、両者を比較すると銀行カードローンの方が審査が厳しい代わりに、金利が低く設定されている傾向があります。

利用者の立場でいうと、審査に自信がある場合は少しでも金利負担が少ない銀行カードローンの利用が良いですし、金利よりもとにかく審査通過を優先する場合には消費者金融の利用が良いでしょう。

人によっては優先順位をつけ、まず銀行カードローンの審査を受けて、落ちたら消費者金融に申し込むというケースもあるようです。

各業者によっても異なりますが、銀行カードローンの金利は1.7%から17.8%で、消費者金融の場合は3.0%から18%となっています。

これだけ見るとそれほど金利差がないように思えるかも知れませんが、各社の金利一覧で比較すると銀行カードローンの金利の低さは一目瞭然となります。

しかし、消費者金融と比較すると金利が低い銀行カードローンだとしても、住宅ローンの金利は1%を下回っているため、カードローン事業は銀行としても稼げる商品となっています。

そのため、本家の消費者金融を上回るほど消費者金融市場に注力しているのです。

《銀行カードローンの金利一覧》

銀行名 金利
オリックス銀行カードローン 1.7~17.8%
じぶん銀行じぶんローン 2.2~17.5%
みずほ銀行カードローン 3.5~14.0%
楽天銀行スーパーローン 1.9~14.5%
三井住友銀行カードローン 4.0~14.5%
三菱東京UFJ銀行カードローン 1.8~14.6%
住信SBIネット銀行MR.カードローン
(プレミアムコース)
1.59~7.99%

《消費者金融カードローンの金利一覧》

消費者金融 金利
アコム 3.0%~18.0%
モビット 3.0%~18.0%
プロミス 4.5%~17.8%
アイフル 4.5%~18.0%

好調のきっかけは改正貸金業法

日銀によると、平成27年3月末の銀行カードローンの貸付残高は4兆6,113億円、対して消費者金融の貸付残高は4兆336億円で、銀行カードローンが消費者金融を抜いた形となっています。

このような流れのきっかけは、平成22年6月に施行された改正貸金業法だといわれています。

多重債務者が増加する中で、年収の3分の1を超える借り入れに規制をかける総量規制を設けた上、上限金利をこれまでの29.2%から18%まで引き下げ、利用者保護に乗り出しました。

しかし、銀行は改正貸金業法の規制を受けないため、カードローン市場で消費者金融よりもさらに有利となったのです。

金利メリットと総量規制の対象外であることが追い風となり、消費者金融市場でのポジションを確立する結果となっています。

銀行カードローンは参入者も増加

カードローンは新規参入する銀行も増えています。現在カードローンを提供している金融機関は、メガバンク・都市銀行・地方銀行だけでなく、信用金庫や信託銀行、ゆうちょ銀行など、ほとんどの銀行がカードローンサービスの取り扱いをしています。

それぞれに特徴があり、たとえばメガバンクは相対的に充実したサービスを展開しており、利用者が手軽に利用しやすくなっています。

地方銀行は各地域に密着したサービスを展開していることから独自色の強いサービスを提供しており、他社とのすみ分けを図っています。

また、ネット銀行の参入も盛んで、ネット上でカードローンの契約手続きが完結するサービスや、普通預金口座を持っていなくても申し込みが可能なサービスなど、利用者目線のサービスが増加しています。

消費者金融のイメージを払しょくする業者も

消費者金融はかつてはサラ金といわれ、お金に困った人が借り入れをする象徴としてどちらかというと悪いイメージを持たれていました。

消費者金融で借りたら怖い目にあうのではないかとか、一度借りると抜け出せない金利で借金が膨らむのではないかと考える人も多かったようです。

もちろん、消費者金融から借入をしてもこのようなことはなく、安全に借り入れを行うことができるのですが、いわゆる闇金融のイメージと混同している人が多いようです。

そんなブラックなイメージを払拭するかのように、各消費者金融はテレビCMや芸能人を使った広告に力を注ぎ現在では大手消費者金融イコール安全で手軽に借り入れができる業者というイメージを確立しています。

そんな中、銀行ブランドによるさらなるイメージアップを果たしているところもあります。

たとえば消費者金融として有名であったレイクは、現在は新生銀行のサービスの1つとして事業展開していますし、アコムは三菱UFJフィナンシャルグループ、プロミスやモビットは三井住友銀行グループとして利用者に安心を与えています。

また、銀行グループではないアイフルは東証一部上場企業であるため、独自に信用を勝ち得ている消費者金融といえるでしょう。

これら大手消費者金融が率先して安心のブランドイメージを確立しているため、カードローンの借入がより身近なものとなっているのです。

このような下地がある中で、銀行そのものがカードローンを展開しているので、さらに気軽にカードローンが利用されてい状況となっています。

銀行カードローンの活況はいつまで続くのか?

このように、銀行カードローンはさまざまな要素が手伝って活況となっています。

金利メリットや改正貸金業法、カードローンに対する良いイメージへの啓蒙など、その追い風は強く、消費者金融市場において消費者金融業者よりも有利にサービスを展開しています。

一方で、懸念の声も高まっています。総量規制が銀行カードローンには適用されないのであれば、結局多重債務に苦しむ人が増える可能性が否定できません。

かつて消費者金融であった出来事が、そのまま銀行にスライドされる可能性があるからです。

銀行カードローンの活況が今後どこまで続くのかは、利用者のニーズだけでなく、規制とも深いかかわりがあるため、今後のニュースにも注目が必要といえるでしょう。

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