銀行カードローンを自主規制?大手3銀行の方針

消費者金融市場において、銀行カードローンが存在感を見せていることを背景に、自己破産者が13年ぶりに増加したと報道されています。

消費者金融は手軽に借入ができるというメリットがある反面、多重債務になったり、返済が厳しくなるというリスクもはらんでいます。

そのため、消費者金融には法律上のさまざまな規制が設けられていますが、銀行には消費者金融と同等の規制はありません。その結果、借金で苦しむ人の増加を危惧する声が上がっています。

そんな中、みずほ銀行・三菱東京UFJ・三井住友銀行の大手銀行3社が自主規制に乗り出しました。消費者金融に課せられている規制と、大手銀行が乗り出した自主規制について紹介します。

自己破産者が拡大している現状

個人の自己破産件数は年々減少しています。平成15年に24万件以上あった自己破産の申請件数は、年間2~3万件ずつ減り続け、平成24年には15年水準3分の以下の7万件を下回りました。

しかし、2016年に13年ぶりに自己破産申請件数が増加となってしまい、前年比1.2%の増の6万4,637件となりました。

ピーク時に比べると低水準ではありますが、銀行カードローン市場が急成長しているため、自己破産件数は今後も増加するのではないかという懸念の声も上がっています。

自己破産者の増加は、借金苦に陥っている人の増加とも比例し、その結果犯罪や自殺などの増加につながるともいわれています。

そのため、銀行カードローンに対する規制や自粛の声が目立ってきています。

消費者金融に課せられている総量規制とは?

2010年6月に改正貸金業法として消費者金融に対する規制が行われました。現在の消費者金融の金利は年率18%、銀行カードローンで14%ほどですが、これまでの消費者金融の金利はさらに10%ほど高かったのです。

その結果、多重債務者が増えたり、借金を苦にする自殺者も増えたため、規制が必要となったのです。具体的には金利の引き下げや、総量規制の導入が行われ、その結果多重債務者が減少することとなりました。

総量規制とは、年収の3分の1を超える貸し付けを禁止するという法律です。

1社からの金額ではなく、複数の業者にまたがる借入全てを合わせて年収の3分の1を超えられないという制限です。この規制により、事実上無理な借入がしにくくなったのです。

総量規制対象業者と対象でない業者

総量規制によって、消費者金融から過剰な借入ができなくなりましたが、実は銀行カードローンに関しては総量規制の対象外となっています。

そのため、年収の3分の1を超える貸付を行っている銀行も多いのです。

せっかく消費者金融に対する規制により、多重債務者や自己破産申請者が減少したとしても、銀行カードローンに総量規制の適用がなければ過去の二の舞となるという声も数多く上がっています。

《総量規制の対象ローンと対象外のローン》

総量規制の対象
(カードローン)
総量規制対象外
(カードローン)
カードローン以外
アイフル 楽天銀行
スーパーローン
自動車ローン
アコム 新生銀行
カードローン レイク
住宅ローン
オリコ イオン銀行 リフォームローン
オリックスクレジット
VIPローンカード
セブン銀行
クレディセゾン ジャパンネット銀行
セゾンファッデックス
VIPローンカード
ソニー銀行MONEY Kit
プロミス 千葉銀行ちばぎん
カードローン
モビット りそな銀行
横浜銀行
常陽銀行
キャッシュピット
北海道銀行ラピッド
北洋銀行
その他地方銀行・
信用金庫

消費者金融は専業主婦は借り入れできない

総量規制の適用があるのかないのかによって、借入に大きな影響となる人がいらっしゃいます。それは専業主婦です。

専業主婦がカードローンの借入をしようとした場合、基本的には消費者金融からの借入はできません。

消費者金融は総量規制の対象となるため、年収のない専業主婦が借り入れをしようと思っても、そもそも年収の3分の1はゼロとなるからです。

一方、銀行カードローンの場合には、総量規制の対象外であるため、年収の3分の1を超える貸し付けが可能です。

全ての銀行が対応しているわけではありませんが、専業主婦でも借入可能と広告している銀行は存在し、審査申込をする専業主婦も数多くいらっしゃるようです。

一般的には消費者金融よりも銀行カードローンの方が審査が厳しいといわれているので、銀行では申し込みができて消費者金融では申し込みができないということに違和感を持っている人もいらっしゃいますが、実は規制による事情があるために、このような状況となっています。

国民生活センターへの相談は減っている

改正貸金業法の効果が手伝って、多重債務におちいる人は減少傾向にある反面、多重債務者を狙って融資の提案をする手口が増加しているとのことです。

そのような手口を含めた相談は、国民生活センターに寄せられるのですが、多重債務による相談自体は年々減少傾向にあります。

2010年に7万件あった相談件数が2011年には4万5千件まで激減し、翌2012年には3万件台となりました。2015年には2万件台に突入し、2016年時点で24,378件まで減っています。

銀行は消費者金融よりもタチが悪いという口コミも!ネットの反応

消費者金融による過剰な貸し付けに対して改正貸金業法で規制がかかり、その結果として多重債務者の減少や、国民生活センターへの相談が減少することとなりました。

改正貸金業法による規制の効果が目に見えて現れているといえるでしょう。

しかしながら、成長を続ける銀行カードローンには改正貸金業法の規制が当てはまらないため、自己破産申請が増加したという現状があります。

このような状況を受けて、ネットにはさまざまな口コミが投稿されています。

数多くのサイトでの口コミを要約すると「高金利なのに総量規制対象外はおかしい」「銀行だけ規制されなのは不公平」といった内容で、中には「消費者金融よりもたちが悪い」とのコメントも見られます。

大手3銀行のカードローン自主規制の動き

このような状況の中で、みずほ銀行・三菱東京UFJ銀行・三井住友銀行が自主規制強化に乗り出しました。

みずほ銀行は融資限度額を引き下げ、年収の2分の1まで行っていた貸し付けを、総量規制水準の3分の1に変更しました。

三菱東京UFJも融資上限を年収の3分の1まで引き下げる方針で、なおかつ収入証明書の提出基準を厳しくするようです。

三井住友銀行は収入証明書提出基準を見直し、従来の300万円を超える借入から50万円を超える借入に厳格化します。

また、三菱東京UFJは子供が視聴する早朝のテレビCMを自粛する方針も決定しました。大手の自主規制の動きが他の銀行にも派生していくと見られています。

まとめ

消費者金融の過剰な貸し付けは、改正貸金業法による規制の結果、一定の抑制効果が見られました。

多重債務者や自己破産申請者、国民生活センターへの相談者は年々減少し、借金苦に悩む人の減少に効果を発揮したのです。

しかし、銀行カードローンは規制の対象外となるため、今また借金に苦しむ人が増え始めているようです。

こんな中、批判や懸念の声が高まり、大手3銀行が自主規制に乗り出しました。この動きが今後広がって行き、過剰な貸し付けに歯止めとなることが期待されています。

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