銀行系カードローンの過熱に警戒感!金融庁が不安視

お金が必要となった時にどうやって工面すればいいのか?その不安や焦りは実際に金策を強いられた人にしか分からないといわれるほど辛いことだといわれています。

そんな時、無担保でお金を貸してくれる金融事業者があれば、光明が射したような気持ちになるのではないでしょうか?

そんな事業者がアコムやプロミスのような消費者金融なのですが、最近では銀行も個人向けに無担保で貸し付けを行うカードローンを展開しています。

銀行カードローンは消費者金融カードローンよりも低金利である上、銀行ブランドの安心感から、利用者が増え続けています。

一方で、「利用者の返済能力以上の貸し付けを行っているのでは」と不安視する声も多く、金融庁はその状況に警戒感を強めています。この記事では、過熱気味といわれている銀行カードローンの実態に迫ってみたいと思います。

カードローンは銀行にとって住宅ローンより魅力

銀行カードローンが普及する背景には、利用者が手軽に借り入れができるという事情だけではありません。

当然のことながら、借りる側の事情だけでなく貸す側の事情も普及への要因となっています。

基本的に銀行の収益は金利によって支えられています。

銀行が個人向けに貸し付けを行う主力商品である住宅ローンの金利は年1%を切っていますが、カードローンの場合は年10%以上のものもあり、高い場合には18%近くとなる商品もあります。

住宅ローンの金利の20倍近くとなる魅力があるため、地方銀行やネット銀行のみならず、メガバンクまでがこぞってカードローン事業に乗り出しています。

カードローンは銀行カードローンの主力商品の1つにまで拡大している状況なのです。

カードローンは地方銀行やネット銀行だけでなくメガバンクもラインアップ

カードローンはネット銀行や地方銀行だけでなく、メガバンクもライナップをしています。むしろメガバンクの方が充実したカードローンサービスを展開し、地方銀行に派生していると印象があります。

広く利用者を支えているメガバンクで、地域密着型で独自色の強いカードローンサービスを展開しているネット銀行や地方銀行という構図となっています。

いずれにせよ、消費者金融カードローンよりも手ごろな金利で多くの融資を受けることができるため、利用者にとって頼れる存在となっています。

また、ネット銀行や地方銀行、メガバンクだけでなく、信託銀行や信用金庫もカードローンサービスを展開しており、今やカードローンサービスは金融業界での常識というポジションを確立しているのです。

国内銀行のカードローンの貸出残高

銀行カードローンの利用がどれくらい増えているのかは、貸付残高をチェックすると分かります。貸付残高とは貸付た金額から、毎月の返済額を差し引いた金額のことをいいます。

日銀のデータによると、2016年の国内の銀行におけるカードローン貸付残高は5兆4,377億円で、前年比でおよそ1割の増加となっています。

金融緩和をした2011年ころから大幅に増え続け、5兆円を超える規模となっているのです。

具体的には、三井住友銀行カードローンが5,429億円(2015年)から6,057億円(2016年)、三菱東京UFJ銀行バンクイックが3,114億円(2015年)から3,716億円(2016年)、楽天銀行スーパーローンが3,129億円(2015年)から3,532億円(2016年)と、主要銀行のカードローンは軒並み増加している傾向にあります。

銀行カードローン 2015年 2016年
三井住友銀行カードローン 5,429億円 6,057億円
三菱東京UFJ銀行バンクイック 3,114億円 3,716億円
楽天銀行スーパーローン 3,129億円 3,532億円

銀行・消費者金融・中小業者の順に借りる実態

利用者の立場で考えた場合には、借入には一連の流れができているようです。

利用者は家族や職場の同僚、友人に借り入れをしていることが知られたくないという人が多く、なるべくネームブランドの高い銀行から借り入れをしたいという心情があります。

その上で、金利メリットのある銀行カードローンで借り入れ審査を申し込み、もしも落ちた場合や審査に自信がない場合に、銀行カードローンよりも審査が通りやすい大手消費者金融を検討することになります。

大手消費者金融でも借入ができない場合には、金利面やサービス面でデメリットはあったとしても、さらに借入がしやすい中小消費者金融で借り入れをするという流れができており、銀行カードローンはその流れの最も上流に位置しています。そのことも銀行カードローン普及の要因の1つといえるでしょう。

多重債務に苦しむ人が増えかねない

銀行カードローンが普及する中、その状況を不安視する声も増加しています。かつて消費者金融からの借入を含め、複数の業者からの借入を増やし、多重債務者が多発した時期がありました。

その結果、貸金業法が改正されることとなり、年収の3分の1を超える借入はできない総量規制というルールが定められたのです。

複数社にまたがる場合は全ての会社からの借入を合計して年収の3分の1を超えることができないことになり、一定の規制線が張られた状態となりました。

しかし、総量規制は消費者金融に対する規制で、貸金業法の対象とならない銀行の場合は総量規制の適応外となります。

その結果、かつての事例と同様のことが起こり、多重債務に苦しむ人が増えるのではないかという懸念が高まっています。

多重債務者の原因が消費者金融から銀行に変わっただけであれば総量規制の意味合いが薄いので、今後何らかの規制が張られる可能性は十分に考えられるでしょう。

顧客の利益を最優先することの徹底を求めている

こうした中、日弁連が金融庁に対して過剰な融資の防止を求める意見書を提出するなどの動きがでています。

その結果、金融庁は各銀行を対象に実態調査に乗り出しました。併せて全国銀行協会も対応を始め、健全な対応の周知を強調しています。

金融庁は各金融機関に対して、借りる側の利益を最優先して業務を行う「フィデューシャリー・デューティー」の徹底を求めています。

銀行の利益追求の結果、利用者が苦しむ結果となることは許されず、カードローン普及と同時にその対応も必要となっています。

利益追求と利用者保護のバランスが、長い目で見た場合に双方の利益となりえるので、利便性と安全性の両輪をしっかりと固めておく必要があるでしょう。

今後の対応にも注目

銀行カードローンは利用者の利便性と、銀行側の収益性の高さから、その普及率は増加の一途をたどっています。

メガバンクから地方銀行、ネット銀行までが魅力的な収益源として、さまざまな商品ラインナップを展開している状況となっています。

反面、利用者保護という観点から懸念の声も高まっており、消費者金融の利用による多重債務者の増加と類似の状況となっています。金融庁が調査に乗り出す中、かつての教訓を活かせる

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